滑舌と鼻炎について
聞き取りやすいハキハキとした喋り口調は、口だけでなく鼻の呼吸によっても支えられています。鼻詰まりが起こりやすい人は滑舌が悪くなる傾向があり、中には常に鼻詰まりを意識してしまい、鼻炎が起きていない時の喋りも滑舌が悪くなってしまうことがあります。
今回は滑舌と鼻炎の関係を紹介していきます。
滑舌と鼻炎
(1)鼻炎で滑舌が悪くなる仕組み
鼻が詰まると、声がこもってしまい、聞き取りにくい声になります。
また鼻で呼吸を行なうことができないため、口で息をしなくてはならず、少しの会話ですぐに疲れてしまったり、鼻に抜ける声(開鼻声・かいびせい)を上手く発することができなくなる場合があります。
中でも「ン」や「ガ行」といった音は、鼻から抜ける声となっているため、鼻が詰まった状態では発音しにくくなります。
(2)通常の発音と鼻声の違い
通常の発声の場合、息は鼻と口の両方に抜けています。
鼻炎を患っている人の場合、鼻から息が抜けることがないため、こもった声になってしまいます。
逆に、口に大量の息が流れてしまい、鼻から息を抜くことができなくなる口蓋裂(こうがいれつ)という病気もあります。
この病気は口と鼻を隔てる口蓋突起の発達が不完全であるため、しっかりと発音を行なうことができません。
ただし、口蓋裂は乳児のときに発見されることが多く、大人になっても患っている人はほとんどいません。
(3)鼻炎ではない時に鼻声になってしまう
鼻炎ではないのに鼻声になってしまう場合、舌の筋力が衰えている可能性があります。
舌の筋肉が衰えると舌の位置が徐々に下がってきてしまい、鼻に息が抜けやすくなってしまうのです。
口を閉じている時、舌が上顎に接していない状態になっている人は舌の筋肉を鍛えることで鼻声や滑舌を改善できる可能性があります。
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